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法学部とのかけ橋BRIDGE TO THE FACULITY OF LAW
法学部とのかけ橋
情報発信コーナー/法学部発
2020年00月00日
「法職講座」の現在―「サポートのサイクル」を目指して 法学部法職委員 山田 慧 准教授2026年09月01日

ちょうど10年前、当時、「法職講座」の企画・運営を行う法職委員を務めておられた、法学部教授の梶山玉香先生が、本コーナーに法職講座についての記事を書かれています。それによれば、およそ70年前から、法曹となった本学部の卒業生が、後輩である本学部の学生に対して司法試験対策の勉強会を行ってこられたところ、それが、およそ50年前に、本学部の課外講座へと発展した後、ロースクールの創設なども経て、本講座の意義が改めて見直されることとなり、2013年に、「新法職講座」として、より広く、法律専門職に関する情報提供や、法学を学ぶサポートを学生に提供する講座へと進化を遂げたとのことでした。今、私が法職委員として携わらせていただいている法職講座が、先輩方の手で作り上げられた、かくも歴史あるものであることを改めて実感した次第です。
私が法職委員を初めて務めたのは、法学部に着任して2年後の2020年度でした。同年の2月頃から、希望と不安を胸に入学してくるであろう新入生に向けたオリエンテーション企画の準備を始め、法律専門職に就かれている本学の卒業生に講師をお願いしていたその矢先、新型コロナウイルスの蔓延がただごとではない様相を呈する事態となりました。そこで、2020年度の春学期は、授業が完全にオンラインで実施されることとなり、それに伴い、法職講座も実質的にストップせざるを得なくなりました。その後、何とか春学期を乗り越えた後、新入生を対象としたオリエンテーション企画は、2020年10月に実施されることとなりました。オンラインのみでの周知・実施だったにも関わらず、本企画には、およそ100名程度の新入生が参加しました。大学に来ることのできない学生が、どれだけの不安を抱えていたのかを痛感するとともに、春学期も、法職講座として何とかサポート体制を整えるべきであったかもしれないと反省したのを覚えています。
そして今回が、2度目の法職委員の担当です。すでにいくつかの企画を実施しているなかで、法職講座は、2013年に生まれかわって以降、さらに「多面的に学生に寄り添う講座」としての性質が増しているように思います。
法職講座のリニューアル当時に始められたFacebookによる情報発信は、現在はX(旧Twitter)による発信に切り替えられ、本稿執筆時点(2026年6月16日)で、フォロワー数は約1500に上っています〔資料1〕。

〔資料1〕法職講座のXアカウントのトップページ
こうした学生の情報収集媒体に合わせた宣伝活動の甲斐もあってか、4月に実施された、新入生を対象にしたオリエンテーション企画には、およそ600名の新入生が参加し、用意していた教室には収まりきらず、急遽、別教室での中継配信を行わざるを得ないという、嬉しい悲鳴となりました。新入生たちは、学生生活を有意義なものにするため(適度に力を抜きつつ、試験を乗り切るため?)、様々な経験をしてきた(単位取得の死線をくぐり抜けてきた?)4回生の先輩の話に耳を傾けていました。〔サムネイル写真〕
また、各企画においては、Formsアプリなどを用いて、フロアからの質問をオンラインで募ることも多くなっています。そうすることで、学生は、より気軽に質問ができ、企画を運営する側も、リアルに学生が気になっていることを把握しやすくなっているのです。さらには、教室にて対面で行った各企画の様子を録画のうえ、後日、オンデマンドにて配信することも常態化しており、より多くの学生に情報を提供できる環境が整えられています。コロナ禍において、オンライン授業を行うために私たち教員および事務の方々が四苦八苦した経験は、間違いなく、学生を多面的にサポートする一助となっていると言えるでしょう。上述のオリエンテーション企画で、急遽、別教室での中継配信を行えたのも、本学部のような大規模学部としてのコロナ禍の経験の賜物に他なりません。
加えて、従来の法律専門職や答案作成に関する企画以外にも、ゼミの選定に関する企画や、「大学教員の素性」を明らかにする企画なども実施・予定されています〔資料2〕。ゼミ選定に関する企画は、学生が主体的に学び、大きな成長を遂げることのできるゼミの選定にあたり、学生の悩みに寄り添ってあげたいとの想いから立案しました。「大学教員の素性」を明らかにする企画は、これまで、私たち教員が、外部の法律専門職に就かれている先輩方をお呼びして講座を企画してきましたが、そもそも、日々の講義で学生に対峙し、指導・教育を行っている教員は何者なのかが学生にとって必ずしも明らかではないのではないかとの意識に基づき立案されたものです。教員のワークスタイルや研究内容を学生に知ってもらうことで、法律学・政治学の意義や面白さに触れてもらうとともに、教員の(若干の)プライベートな事項を学生に披瀝することで、いつもは、遠い教壇の上で何やら小難しい話をしている教員も、ときには、You Tubeを見ながら怠惰に過ごしたり(これは、あくまで私自身の話です)、ペットの猫を愛でたりする人間であることを実感してもらい、日々の講義を少しでも聞きやすくなる環境を作ることができればよいと考えています。

〔資料2〕法職講座の各企画の宣伝チラシ
およそ70年前に、当時は司法試験対策として始まった先輩が後輩を指導する法職講座は、このように、より裾野を広げる形で存続し、受け継がれていると言えるでしょう。先輩に導いてもらった学生が、次に、下級生の先輩となり、後輩を導いていくという「サポートのサイクル」が、法学部全体に浸透してきているのです。私自身、法職委員として、また、かつて同志社の先輩方に導いてもらった学生の一人だった者として、様々な企画を立案・実施し、こうした「サポートのサイクル」の一端を担わなければならないと改めて感じています。政法会会員の方々におかれましても、引き続き、本講座を通した学生のサポートにご協力を賜れますと幸いです。
