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法学部とのかけ橋

研究室訪問 
2020年00月00日

研究室訪問:森靖夫教授「近代日本政治史、日本政治外交史」2026年09月01日

森靖夫先生のご専門は近代日本政治史、日本政治外交史です。
政治学のなかでも、過去の「歴史」を通して政治現象を分析する分野です。
「歴史とは現在と過去の間の終わりのない対話である」というE.H.カーの有名な言葉が示すように、この分野では現代社会を取り巻く諸問題を常に念頭に置きながら、歴史を「解釈」することで政治を紐解いていきます。
その際、政治史では政府の公文書はもちろん、過去の政治家や実業家などの日記や書簡、新聞・雑誌などの膨大な一次史料をもとに研究を進めていきます。
研究対象は人物や事件のみならず、組織や制度、さらには体制や思想など多岐にわたります。
これまで森先生は、日中戦争や日本陸軍の研究をされてきました。
また近頃は、近年盛んな「グローバル・ヒストリー」を念頭に、日本の総力戦体制や国家総動員体制に関する研究を中心にご活躍されています。

森先生はご自身の研究と同様に、学生教育にも熱心に力を注がれています。
ゼミでは、学生の興味関心を適切に歴史研究へと結びつけ、それぞれが見出した研究テーマに的確な指導をしてくださいます。
こうしたご指導では、史料をそのまま鵜呑みにせず必ず裏取りをするといった「史料批判」の能力など、実社会でも必須となる能力を身につけることができます。

二年次演習では、研究遂行に向けての基礎体力づくりのため、森先生が指定した新書を毎週一冊読みます。
学生としてはかなり大変な課題ではありますが、いずれの新書も先生厳選の「良書」のため、改めて歴史の面白さに気付かされる機会となります。
また、本の内容をもとに先生と議論を交わすことで、これまで気付きもしなかった視点や論点の発見につながります。
課題となる新書が扱う時代は明治から昭和戦後まで幅広く、ここでの議論をもとに自身の研究テーマを見つけることも可能です。

三年次からは本格的な歴史研究に入ります。
テーマや時代は人それぞれで、自身の知的好奇心の赴くままに研究を進めます。
近年では、「昭和天皇と立憲君主制」、「新選組評価の変遷」、「戦時下の海運統制」、「岸信介の経済政策の戦前戦後の一貫性」など、多様なテーマに取り組んでいます。
研究は四年次も引き続き行い、森先生にご指導をいただきながらゼミ論文として二年間の研究成果をまとめます。

こうした森ゼミ生の卒業後の進路は多種多様です。
中央省庁や地方自治体などの公務員や、民間企業、団体職員など、必ずしも歴史研究と直接関連する職業とは限りませんが、森ゼミで学んだ知識や技能をもとに各業界で幅広く活躍されています。
また、最近は大学院への進学者も増加傾向にあり、現在のところ博士課程一名、修士課程二名の計三名の院生と、院進学予定の聴講生一名(四年次ゼミ生)が森先生のもとで学んでいます。
大学院でのご指導では、院生自身の研究へのアドバイスはもちろん、プロの研究者の育成のため、研究技能向上のための様々なトレーニングを施してくださっており、より一層レベルの高い白熱した議論が展開されます。
今年三月に門下生第一号として博士号を取得された先輩は、本年度から本学法学部助教に着任されました。
大学院での議論の様子

最後に森先生の私的な魅力についてお伝えさせていただくと、森先生は研究・教育に大変ご熱心な先生ではありますが、より身近に学生と交流してくださいます。
ゼミでは、研修旅行として海上自衛隊基地への訪問を毎年企画してくださっており、旅先での宴会やゼミ歓迎会、謝恩会などの場では一緒になって盛り上がってくださいます。

ゼミOB・OG会にて
今年の3月には、森ゼミ十五周年を記念して初のOB・OG会を開催し、旧交を温めました。
森靖夫ゼミは今後も益々発展していくものと思います。

法学研究科後期課程政治学専攻 稲森悠介