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ゼミナール紹介 
2020年00月00日

ゼミナール紹介:望月詩史ゼミ 「おもしろさ」に気付ける自由な言論空間2025年09月01日

望月ゼミ:日本政治思想ゼミ
 望月ゼミでは日本政治思想を主題として取り扱っています。
日本政治思想とは、「思想」という点に注目すれば、主に日本が近代への変化を見せる中で現れた、様々な政治家・思想家の政治に対する価値観や理念、理論です。
そしてこれを取り扱う「学問」は、思想をその人物や時代の背景を踏まえ、また現代の我々と照らし合わせ相違点や繋がりを考察するものです。
当ゼミには政治学科だけではなく法律学科の学生もおり、様々な考え方をもった学生が自身の考えを発言でき、これを受け止める自由な言論空間を目指しています。
その中で出会う思想は、自分で積極的に見つけに行くものもあれば、「邂逅」(偶然の出会い)から来るものもあります。
その出会いに感謝しつつ、思想を当時の情勢や他の思想との繋がり、そして現在の我々と関連させながら、毎週思考をめぐらせています。
 ゼミの様子(ゲストスピーカー回)

毎週の活動
 通常のゼミの時間では、設定した輪読文献について担当者が報告し、この報告を受けて提示された論点をゼミ生全体で考えていくことを行っています。
輪読文献に関しては、『武士道』(新渡戸稲造著)・『代表的日本人』(内村鑑三著)などの原典から『近代日本における功利と道義』(松井慎一郎著)といった思想を体系的にまとめた専門書などまで、広く思想を取り扱っているものであれば、興味のある分野の文献を取り上げています。
論点は、内容に関する詳しい疑問点や背景を踏まえた大きな考察のポイント、また現代へのつなげる広い視点を持ったものなど、様々なものが提示されます。
この論点を考えるなかで、担当者が自身の意見を述べ、他のゼミ生からその意見を発展させる論の提示や反対意見などが飛び出し、また望月先生から適切な補助が行われ、発展的な思考につながる議論が行われています。
この議論のなかで「おもしろさ」に気付いて欲しいと思っています。
日本政治思想は当時の日本人が考え発信してきたものですが、現代の日本にまでつながる考え方や、西洋や中国など海外の思想との関連性など、様々な背景や影響が考えられ、これを比較し、考察できることが1つのおもしろさだと思います。
また時代が違えど同じ日本人として、なにか共通するものがあるのか、変わったところは何処なのかを、今を生きる自分自身と比べて考えるところができることも、そのおもしろさだと思います。このおもしろさは、それぞれ人によって違うもので、多様なゼミ生との議論のなかで、このおもしろさを共有し、偶然の出会いにつなげることができるところが、当ゼミの魅力です。 

課外活動
 学期に1~2回程度、思想の痕跡地に実際に赴くゼミ会を行っています。
現地に赴くことで文献上では見えてこなかった背景を発見でき、ここにその重要性を感じています。
また自由な思考と言論を妨げない、緊張感がありつつも適切な距離感のあるゼミを目指し、先生とゼミ生の交流も重視し、ゼミ会やランチ会も随時実施しています。
 ゼミ会の様子(金沢市内を散策)

総括
 望月ゼミでは日本政治思想を通じて「思考をめぐらせる」ことを習慣化し、学問の「おもしろさ」に気付ける自由な言論空間を大事にしています。
またゼミの中では、様々な考えを持った人との出会いや自分が興味のなかった分野の文献との出会いがあり、この偶然の出会い「邂逅」への感謝も大事にしています。
日本の政治思想とその歴史に関心を持ち、また読むことや考えることを楽しいと感じられる人が集い、ゼミが続いていくことを願っています。
                                                政治学科 4回生 北村 哲久